GFXを使っていたら、真のラージフォーマットが生えてきた話 #カメクラの沼カレ2021
こんにちは、OEです。
この記事は 【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2021 の7日目の記事です。 前日の記事は すふぃも さんによる 『写真の沼へとズブズブと』 でした。
昨年の沼カレでは、GFXをお迎えして三か月のインプレッションを書きました。
その後、GFXとの蜜月が続いている最中、ふと気づいてしまったんです。
「GFXはラージフォーマットを自称してるけど、
ラージフォーマットって いわゆる大判のことだよな……?」
って。
「カメラバカにつける薬 」でも煽られてましたね。ほぼベスト半裁判サイズやろがい!って。
一方で、Fujiflmの公式動画の中では、GFXは大判カメラ並みの画質を実現している という主張を度々目にしていました。
そうすると、だんだんと気になってくるわけです。毎度引き合いに出される大判カメラって、どんだけ画質良かったの?と。
「真の」ラージフォーマット デビュー
というわけで、お迎えしてしまいました。
my new gear...
— OE (@oe_pix) 2021年10月9日
そしてGFXとフィルムで試運転してきました。
いやー、楽しいけどめんどくさい。でも楽しいですねー pic.twitter.com/KKdoXoUVfL
いわゆる4x5(シノゴ)と呼ばれる、4インチ x 5インチ シートフィルムで撮影するカメラです。大判カメラ*1の中では最もコンパクトなフォーマットで、「カメラバカにつける薬」で言うところの『ギガラージ』です。
上記写真 中央のリンホフ マスターテヒニカ 2000は、屋外へ持ち出し可能なコンパクトサイズに折りたためる*2にも関わらず、スタジオ向けの大判カメラ*3並みのアオリ撮影が可能なカメラの代表格です。
で、実際のところどうなの?*4
めんどくさいし重い。でも慣れる。
大判カメラのシートフィルムは、ダークバッグの中にホルダーとフィルムの箱と腕を突っ込んで、手探りで装填します。 面倒くさいですし、装填ミスで無駄にしたこともありました。でも、慣れてくると楽しくなってくるのが不思議ですね。
大判でシステムを組んだ時の総重量も、GFXより重くなりがちです。例えば、マスターテヒニカ2000とGFX100を中心に単焦点レンズでシステム組んだ時の比較をしてみましょう。
大判(4x5) | GFX | |
---|---|---|
カメラ本体 | マスターテヒニカ2000 2600g |
GFX100 1400g |
標準単焦点 | アポジンマー150mm F5.6 309g |
GF63mm 405g |
中望遠単焦点 | アポテレクセナー 400mm F5.6 988g |
GF120mm 980g |
超広角単焦点 | スーパーアンギュロン 47mm F5.6 XL 326g |
GF23mm 845g |
記録メディア (6枚撮影あたり) |
180g x 3*5 | 2g*6 |
合計 | 4793g ~ | 3632g ~ |
備考 | 上記のほか、三脚や露出計等 必須 ピントルーペ、6x7フィルムホルダー等 推奨 |
手振れ補正搭載 |
大判カメラ本体と記録メディアの重さが響き、およそ1kg以上の差がつきました。*7 さらに三脚を持ち出すことが必須な上に、大判カメラ本体が重い分、三脚にもある程度の重量と脚径が要求されます。
GFXは、小型軽量で画質も良い、なんて素晴らしいシステムなんだ……って気持ちになりますね。
解像感が良い
こちらは400mmのレンズで、6x7ロールフィルムホルダーを装着して撮影した写真です。 6xルーペで覗き込むと、冠雪の表面の凹凸まで見てとることができます。
当日同じ場所で、GFX50R + GF45-100mmの望遠端で撮影した写真はこちら。雪面のテクスチャで比較するに、主観ですが5000万画素機と同程度には解像していそうです。
解像感だけで比較するとそんな印象ですが、ポジフィルムにバックライトを当てて鑑賞する美しさは、高解像度の画像ファイルをディスプレイやプリンタで鑑賞するそれとは別ものでした。
ディスプレイの輝度を限界近くまで上げて、強い光源の入った写真を鑑賞するのが趣味だった自分にとっては、『ポジフィルム、なんて最高なんだ……』って気持ちです。
GFXをつけて遊ぶこともできる
富士フイルム公式でビューカメラアダプターが提供されており、GFXのカメラを4x5に取り付けることができます。
このツイートの写真は、上記アダプターでGFX50Rを装着し、アポジンマー150mm F5.6で撮影しました。 F5.6開放でもちゃんと解像してくれますし、ボケ味も悪くないように思います。
以前のツイートで載せるのを忘れてましたが、2021年リリースのラフロイグ25年と併せて、2020年リリースのラフロイグ25年も入荷しました。
— BAR ハーミット プレスト (@hermit_presto) 2021年12月2日
ハーフショットの飲み比べでお得なセットをご用意しましたので、ぜひお試しください。 pic.twitter.com/2hStgLczzc
あと大判レンズを購入する際に、店頭で試写できるのが便利ですね。一式持ち歩くと、とっても重いんですが。
大判ならではの撮影を楽しめる
まだなかなか作例もないのですが、目下 アオリ撮影 の練習中です。
近景から遠景までのパンフォーカスや、バックアオリによる被写体の形状修正など、使いこなしていきたいものです。
振り返ってみて
GFXに別段の不満があるわけではなく、ただ興味が派生して大判カメラに手を出してしまいました。結果として、満足しています。
やはり大判カメラの解像感 x ポジフィルムの美しさ には、GFXでも得られない魅力があるように思いました。
一方で、画質や携帯性などのシステムの使い勝手を総合すると、GFXというシステムの優秀さをあらためて感じました。これからもGFXをメイン、大判を飛び道具的なシステムとして、愛用していきたいと思っています。
結論。ラージフォーマット()はいいぞ。
翌日の記事は 真緒 さんです。