カラーマネジメントモニタ『EIZO CS2740-BK』導入!

どうも、こんにちは。OEです。

 

年末の最後に、IYHしてしまいました。EIZOカラーマネジメントモニタ『CS2740-BKです。

 

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ハードウェアキャリブレーションの様子

 

カラーマネジメントモニタとは?

カラーマネジメントモニタとは、汎用モニタより色を正確に表現できるスペック(色域、色深度、Delta E)を備えていて、かつハードウェアキャリブレーションによって正しい色表示に再調整できるモニタのことです

 

今回はデスクの大きさと手持ち機材から、27インチ、4k解像度、かつハードウェアキャリブレーションに対応したモデルに絞って探しました。カラーマネジメントディスプレイとして注目したスペックは以下の通りです。

 

スペック/製品名

EIZO

CS2740

BenQ

SW271

Dell

UP2720Q

ViewSonic

VP-2785-4k

色域 AdobeRGB 99.9%*1

AdobeRGB 99%

Rec.709 100%

DCI-P3 93%

AdobeRGB 99.9%*2

DCI-P3 98%

AdobeRGB 99%

Rec.709 100%

DCI-P3 95.1%

色深度 10 bit (16bit LUT) 10 bit 10 bit 10 bit (14bit LUT)*3
輝度 cd/m^2 350 350 250 350
Delta E 3未満 2以下 2未満 2未満
コントラスト比 1000:1 1000:1 1300:1 1000:1
価格 18万程度 13万程度 17~27万程度*4 10万程度

 

 こうやってみると、スペックシート上は割と近いです。その他の違いとしてはEIZODellドット欠けでも交換してくれる、EIZOだけフードが別売り、Dell UP2720Qは測色計を内蔵しており、製品単体でもハードウェアキャリブレーションできる、などがあります。

 

 BenQとViewSonicのコスパが際立ちますが、一方でレビュー等を見ると輝度ムラに対する指摘を見かけます。どの機種も輝度ムラを抑えている(ユニフォーミティ云々)ことをうたっていますが、メーカーごとの品質差はありそうです。また自分が見つけたレビュー記事の範囲で、公称値と実測値のズレについて脚注を入れました。

 

今回初めてのカラーマネジメントモニタ購入なので、自分が外れ個体を引いたときに対応できる自信がないこと、年内に欲しかったこと、そしてEIZOモニタをこれまで2台使ってきてスペックシートにあらわれないEIZOの品質に信頼を寄せていることが決め手で、今回もEIZOのCS2740を選びました。クーポンによる割引が効いているタイミングで、納期遅めでもよいならDell UP2720Qも良さそうですね*5

 

その他スペックの注意点については、studio9さんのブログ記事が詳しかったです。こちらもどうぞ。

photo-studio9.com

 

カラーマネジメントモニタのセットアップ 

設置して、まずはハードウェアキャリブレーションをやってみました。

冒頭の写真です。EIZO純正のEX4*6を利用して、だいたい5分ぐらいで終わりました。

 

使用200時間ごとのキャリブレーションをメーカーが推奨していますが、これぐらいの手間なら定期的にやってもいいかなぁ、って思ってます。

 

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そして次はNVIDIA Studio Driverによる、グラボから出力される色深度の調整です。

 

CS2740は色深度は10bitぶんの表示に対応していますので、グラフィックボードから出力される色深度も10bitに引き上げました。kobefinder.com

自分のメインPCはGeForce RTX2060 with Max-Q Designを搭載していましたので、NVIDIA Studio Driver同梱のGeForce Experienceアプリケーション内の、NVIDIAコントロールパネルの画面から、以下の通り設定できました。

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10bit 出力に設定

 

で、使い心地どうよ?

 

届いたばかりでまだ全然使い込めてないんですが、すぐに気づいた違いが2点ありました。

 

ひとつは、写真の階調の良し悪しがハッキリ分かるようになりました。

 

これまでの非カラーマネジメントモニタだと、以下の二つはまあ見分けられるかな?という程度。

 

グラデーション > 層状になっている(境界線が視認できる)

 

今回のCS2740を使うと、以下のように区別ができるようになりました。*7

 

グラデーションが極めてなだらか 

>> グラデーションだが濃淡にムラがある 

>>> 層状になっている(境界線が視認できる)

 

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グラデーションが極めてなだらかだった写真

 もう一つは、色のニュアンスがより、見分けつくようになりました。

 

ここには少しマゼンタが乗ってるなとか、シアンに寄ってるな、みたいなことが判別しやすくなります。自分の理想とする色にも近づけやすくなるかなぁと思いました。

 

あとは手持ちディスプレイに比して、輝度と解像度が上がったことにも有難みを感じています。明るいところがしっかり明るく見える、解像してるところがカリカリに見える、というのは撮影時の印象がよみがえって楽しいですね。

 

購入後に「輝度も重要だったなぁ」って思いました。

 

まとめ: カラーマネジメントモニタはええぞ

「改善するには まず測定せよ」は普遍の原則でありますが、満足できる写真を撮れるようになるには、まずは見えるようにするところからなのかなぁ、 なんてことを思いました。

 

カラーマネジメントモニタはええぞ。EIZOはええぞ。

*1:EIZOの公称値は99%ですが、実測値は99.9%のようです

*2:Dellの公称値は100%ですが、実測値は99.9%のようです

*3:ViewSonicメーカーサイトの表記がなく、公式?レビューを参照

*4:利用クーポンによる

*5:というか元々EIZO一択かなぁと思ってたんですが、この記事書くために調べてたらDellいいやん?ってなりました

*6:ColorNavigator 7の「測定器」欄表記はSpyderX / EX4となっているため、SpyderXのOEMとみて間違いなさそうです。

*7:

画像で伝えられたらいいんですが、撮影機器と表示機器の色表現で変わっちゃうので難しいんですよね……