FUJIFILMどっぷりの一年。2021年のデジタル機材と写真の振り返り。
こんにちは、OEです。
今年も最後の日になったところで、一年間の写真と機材の振り返り記事です。
大判カメラの話は前回書いたので、今回はデジタル機の話。
今年はどっぷり、FUJIFILM YEARになりました。
1月
フジノンレンズ GF45-100mmF4 R LM OIS WR
とにかく優等生で良い・・・って感じのレンズ。
単焦点じゃなくてもいいかぁ、って思える程度に解像度・コントラスト・逆光耐性・(特に色)収差などに不満がありませんでした。
あえていえば、近接ボケのうるささを感じるものの、最短撮影距離や倍率をふまえると、物撮り向きのレンズではないですし。
たぶんこいつのおかげで
- GFXをメイン機に据える
- ズームレンズ主体でシステム組む
っていう方向性ができた気がします。
GF45-100mm F4買って以来の使用率がヤバい。
— OE (@oe_pix) 2021年3月1日
デカさがネックになるとき以外は、だいたいこれを持ち出す感じになってる。
僕は後者で、これまで使ってきたデジタル機ではずっと単焦点派だったのに、GFXになってからズーム派に転向しましたね・・・なぜだ・・・
— OE (@oe_pix) 2021年10月27日
なんとなく、ズームレンズの描写に初めて満足できた、ってのはありそうだけど
2月
Sony 135mm F2.8 [T4.5] STF SAL135F28
My new lens...
— OE (@oe_pix) 2021年2月9日
Sony Aマウントの135mm F2.8 STFと、FotodioxのSN(a)-GFXマウントアダプターを入手しました。
44x33mmのイメージサークルを十分カバーしており、周辺減光も感じられません。
また試し始めたところですが、換算107mm付近の使いやすい画角で、T4.5のSTFボケで遊べるのは楽しいですね pic.twitter.com/iblgQxHrAy
新入荷です
— BAR ハーミット プレスト (@hermit_presto) 2021年4月8日
『白州ピーテッドモルト 2021』
白州12年も入荷したので
是非飲み比べしてみてください pic.twitter.com/UftTie3qsA
メイン機にするなら、物撮り用のレンズは欠かせないなってことで買った、Sony Aマウントレンズ。
Sony FE100mm F2.8 STFを以前所有していたときにも思っていたけど、やっぱSTFのボケは最高にスムース。好き。
44x33mmセンサーなら、換算焦点距離が使いやすくなるのもいいです。
今でも物撮り用途では筆頭レンズ。
フジノンレンズ GF80mmF1.7 R WR(売却済)
#GFX50R #GF80mm pic.twitter.com/WnqtFHM3uZ
— OE (@oe_pix) 2021年4月4日
GF80mm F1.7開放は、ピント面から外れた瞬間、一気に輪郭が滲む感じだなぁ
— OE (@oe_pix) 2021年3月25日
中距離の後ボケが割と賑やかなのも相まって、ちょっとドリーミーな感じな雰囲気が出ますね。結構好きかも。#GFX50R #GF80mm pic.twitter.com/m96BzAXB0C
1本は明るいレンズ欲しいよね、ってのと、あわよくば物撮りでも使えないかなぁ、ってことで買ったレンズ。
LMではないけど、GFX100 v4.0.0以降(&GFX100S?)ならAFも十分速かったです。
開放からキレがあり、艶やかな雨の描写も気に入ってました。でも、ハイコントラストな被写体を撮ったときの色収差の目立ち方と、ボケのうるささが、なんか風景や物撮りでは使いづらいなぁと感じてました。
スナップ用途でも、気づくと馴染みの深い他の焦点距離とか、もっと個性があるレンズや小型のレンズを持ち出してしまっていたり。
ポートレート用途だとハマると思うけど、自分はあまり撮らなかったり。
要はnot for meなんだな、ってことに気づいてしまったので、売却しました。次のオーナーが愛用してくれていることを願います。
3月
HD PENTAX-D FA645 35mmF3.5AL[IF]
こちらの記事に書いた通りですが、最近は持ち出す頻度低めかもしれません。
たぶん、後述のGF35-70mmのせい。
とはいえ、ティルト・シフトアダプターと組み合わせて遊ぶには扱いやすいスペックなので、今もたまに遊んでます。
5月
フジノンレンズ GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
My new lens....
— OE (@oe_pix) 2021年5月4日
GFレンズ唯一の望遠ズームである、GF100-200mm F5.6をゲットしました。
若干暗いのは難点ですが、光学式手振れ補正・インナーズーム・やや寄れる広角端、という各要素がスペックの数値以上に使い勝手良いです。
風景・スナップの撮影の幅が広がって良いですね。#GFX50R #GF100200 pic.twitter.com/I5NjlXdQEP
ズームレンズでシステム組む、となったら望遠ズームレンズも欲しくなるわね、ってことで買ったレンズ。
前述のD-FA 35mm F3.5で優秀さとコスパの良さを感じていたPentax 645の望遠レンズ群を採用するかは迷いました。
ただ、当時はGFX50Rしか本体がなかったこともあり、レンズに光学手振れ補正欲しくなったのでこいつになりました。
ちょっと暗めではあるけど、おかげで取り回しが良いサイズ感におさまってくれてます。
なにより、解像感・コントラスト・逆光耐性・色収差などなどの写り全般に満足しています。
6月
FUJIFILM GFX100
My new gear...
— OE (@oe_pix) 2021年6月26日
意味分からないぐらい中古が値落ちした #GFX100 を保護しました。
グリップ感良いし、縦撮り楽だし、ドットの粗が見えないEVFがめちゃくちゃ良いですね・・・・・・ pic.twitter.com/NKtrPFS7Ok
思い起こせば、去年うっかりFUJIFILM Imaging Plazaで触ってしまい
「なんじゃこら……かっけぇ……EVF超綺麗……使いやすい……でも高い……」
ってな具合に、GFX100にハートをガッツリつかまれちゃっていたんだと思います。
4~5年ぐらいしたら、買えるぐらいに値落ちするかな?って淡い願望をいだいていたところに、なんか知らんけど*1数年前倒しで中古品が値落ちしてしまって。
1か月以上迷った末、Sony機&Eマウントレンズ群を全て売却してお迎えしました。後悔はしていません。
オプション品のEVFチルトアダプターを組み合わせて、縦構図の操作的制約や、視線の高さの制約から自由になれた気がします。
そんな撮り味が一番のお気に入りポイントだと思います。GFX100は良いぞ。
7月
smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4
というわけでmy new lens...
— OE (@oe_pix) 2021年7月11日
smc PENTAX FA-645 MACRO 120mmF4です。やっぱ換算100mmぐらいの等倍マクロはいいですね。
軽く使ってみた感じ、絞り開放でも1億画素機でじゅうぶん解像してそうに見えます。
が、そのうちちゃんと検証したい。 pic.twitter.com/qRWljY28jl
たまに使いたくなるマクロレンズだけど、GF120mm F4は高いしなぁ、ってことで買ったレンズ。
GF120mmよりむしろ倍率が高く等倍マクロですし、1憶画素機でも十分に解像してます。
というか、F8で撮った写真をピクセル等倍で見てみると、レンタルしたGF120mmよりむしろ解像してそう……?
フィルムのデジタイズをするときには、毎回これを使っています。
FUJIFILM X-S10 & XF18mmF1.4 R LM WR
GFXでは撮りにくい構図でスナップ。#XS10 #XF18mmF14 #fujifilm pic.twitter.com/M6ql6Eq7p1
— OE (@oe_pix) 2021年7月24日
my new camera...
— OE (@oe_pix) 2021年7月23日
散々お悩みツイートをしていたサブ機は最終的に、求めているものを一番満たしてくれていた、X-S10になりました。
相談に乗っていただいた皆さん、有り難うございました。
初手レンズはXF18mm F1.4(換算27mm)で、まずはフジ最新のXレンズを堪能しようと思います・・・! pic.twitter.com/ta9XEIgTwe
Sony機を全て手放したものの、雑に撮れるカメラとレンズの組み合わせが欲しくなって導入したカメラ。
例えば家族的イベントで、人に渡して撮ってもらうカメラについて考えてみると、GFXは流石に無理があるんですよね。
XF 18mm F1.4は、自分好みの換算28mm付近で、かつXマウント最新設計の上位ラインの単焦点レンズ、ってのがドンピシャだなぁってことで選んでみました。
実際、写りのキレが開放でも絞っても素晴らしかったです。X100Fとは全然違いますね。
もちろんGFXと比べると、階調や解像感、DR拡張機能適用時の仕上がりなど、見劣りする部分はあります。*2
それでも、APS-Cサイズのセンサーが出す絵の期待値は越えていたので、満足しています。
勝手に(?)巨大化するマイ機材たちの中での、良心的存在。
「あ、写真お好きなんですね」って気軽に話しかけられるぐらい(?)の一般人に擬態できる、大事な小道具でもあります。
9月
Cosina HELIAR classic 50mm F1.5 VM
コシナ製のライカMマウント向けレンズ。 HELIARタイプの設計なのに、F1.5という大口径レンズを実現してしまったという変態レンズ。
抜けの良さ、柔らかさ、収差の嵐の中でも芯が残ってる感じ、などなどが、自分のお遊びレンズ的な好みにドンピシャでハマってしまいました。
Mマウントのカメラ持ってないのに、思わず買ってしまいましたね…*3
35mm判モードで使おうと思ってたのに、なんと開放ならGFXのイメージサークルをギリギリカバーしている、という嬉しい誤算もありました。*4
お遊びレンズとしてこれ1本で散歩したり、カバンにそっと忍ばせています。
フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR
GF50mmのパープルフリンジと寄れなさ具合が不満で、入れ替えで導入した単焦点レンズ。
フレアやゴーストは出にくいものの、開放~F8ぐらいで色収差が目立つので、ちょっと逆光には向けにくい感じです。F11まで絞れば許容範囲。 あとは普通に優秀だなぁ、って印象です。
換算36mmなのでGFX50Rと組み合わせると、X100シリーズ機のような使い心地になるのがお気に入りポイントです。
もっぱらスナップシューターとして使っています。
なんとなくGFX50Rと組み合わせるなら、GF35-70mm F4.5-5.6よりも、GF45mm F2.8の方がしっくりきています。
10月
Tamron 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)
Xマウント初、Tamronの便利ズーム。
便利ズームは便利……ではあるんだけど、写りでいえば「便利ズームにしては良いかな?」ぐらいの感じです。
主に解像感とか、ワイド端の歪曲とか、テレ側の寄れなさに不満があります。
ひょっとすると、標準単焦点レンズ+XF70-300mmあたりと入れ替えするのが良いかも?
来年の検討課題です。
11月
フジノンレンズ GF35-70mmF4.5-5.6 WR
レンズ単体での発売前に、中古でキットレンズをフライングゲットしたもの。
スペック見る限り軽くて寄れるし、写りがイマイチでも使い道はあるかな?と思っていたら、いい意味で裏切られました。
F8あたりまで絞れば1億画素機でもちゃんと解像するし、色収差がほぼ目立ちません。何このキットレンズすごい。
開放はちょっと甘いですが、それはそれで悪くなくて、スナップで人を撮るときに重宝していたりします。*5
逆光に向けるとフレアやゴーストがやや目立つときもありますが、構図に困るというほどではありませんでした。
これで標準ズームレンズが二本になってしまったものの:
GF35-70mm F4.5-5.6 => スナップメイン。荷物を減らしたいときは、風景撮影でも持ち出す。
GF45-100mm F4 => オールマイティ。何か目的をもって撮りに行くときは基本こっち。GF23mm F4と組み合わせることが多い。
みたいな今のところの使い分けです。
そっか今日はGF35-70mm F4.5-5.6の発売日か。
— OE (@oe_pix) 2021年11月30日
実はちょっと前に中古で入手したんですが、優秀で驚いています。
逆光で若干コントラストが低下する、開放でややソフトみたいな弱点はあるけど、少し絞れば十分な解像感。
何より軽い&寄れるのは大正義なので、頻繁に持ち出してます。オススメ。
総括
GFXは、純正ズームレンズをメインに据えて、個性ある単焦点レンズをマウントアダプター経由で組み合わせる、って感じの構成でまとまってきました。
一番のお気に入りレンズはなんだろうなぁ…… GF35-70mm F4.5-5.6がとにかく小型・軽量で便利ですし、大判カメラと組み合わせやすいので、直近では一番利用頻度が高いかもしれないですね。
来年発売予定のGF20-35mmも待ち遠しいです。
Xマウントはまだ構成が煮詰まってない感じがしますが、まあサブ機ですし……。程よく雑に、気楽に使っていきたいと思います。
それでは、皆さん良いお年をお過ごしください。
GFXを使っていたら、真のラージフォーマットが生えてきた話 #カメクラの沼カレ2021
こんにちは、OEです。
この記事は 【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2021 の7日目の記事です。 前日の記事は すふぃも さんによる 『写真の沼へとズブズブと』 でした。
昨年の沼カレでは、GFXをお迎えして三か月のインプレッションを書きました。
その後、GFXとの蜜月が続いている最中、ふと気づいてしまったんです。
「GFXはラージフォーマットを自称してるけど、
ラージフォーマットって いわゆる大判のことだよな……?」
って。
「カメラバカにつける薬 」でも煽られてましたね。ほぼベスト半裁判サイズやろがい!って。
一方で、Fujiflmの公式動画の中では、GFXは大判カメラ並みの画質を実現している という主張を度々目にしていました。
そうすると、だんだんと気になってくるわけです。毎度引き合いに出される大判カメラって、どんだけ画質良かったの?と。
「真の」ラージフォーマット デビュー
というわけで、お迎えしてしまいました。
my new gear...
— OE (@oe_pix) 2021年10月9日
そしてGFXとフィルムで試運転してきました。
いやー、楽しいけどめんどくさい。でも楽しいですねー pic.twitter.com/KKdoXoUVfL
いわゆる4x5(シノゴ)と呼ばれる、4インチ x 5インチ シートフィルムで撮影するカメラです。大判カメラ*1の中では最もコンパクトなフォーマットで、「カメラバカにつける薬」で言うところの『ギガラージ』です。
上記写真 中央のリンホフ マスターテヒニカ 2000は、屋外へ持ち出し可能なコンパクトサイズに折りたためる*2にも関わらず、スタジオ向けの大判カメラ*3並みのアオリ撮影が可能なカメラの代表格です。
で、実際のところどうなの?*4
めんどくさいし重い。でも慣れる。
大判カメラのシートフィルムは、ダークバッグの中にホルダーとフィルムの箱と腕を突っ込んで、手探りで装填します。 面倒くさいですし、装填ミスで無駄にしたこともありました。でも、慣れてくると楽しくなってくるのが不思議ですね。
大判でシステムを組んだ時の総重量も、GFXより重くなりがちです。例えば、マスターテヒニカ2000とGFX100を中心に単焦点レンズでシステム組んだ時の比較をしてみましょう。
大判(4x5) | GFX | |
---|---|---|
カメラ本体 | マスターテヒニカ2000 2600g |
GFX100 1400g |
標準単焦点 | アポジンマー150mm F5.6 309g |
GF63mm 405g |
中望遠単焦点 | アポテレクセナー 400mm F5.6 988g |
GF120mm 980g |
超広角単焦点 | スーパーアンギュロン 47mm F5.6 XL 326g |
GF23mm 845g |
記録メディア (6枚撮影あたり) |
180g x 3*5 | 2g*6 |
合計 | 4793g ~ | 3632g ~ |
備考 | 上記のほか、三脚や露出計等 必須 ピントルーペ、6x7フィルムホルダー等 推奨 |
手振れ補正搭載 |
大判カメラ本体と記録メディアの重さが響き、およそ1kg以上の差がつきました。*7 さらに三脚を持ち出すことが必須な上に、大判カメラ本体が重い分、三脚にもある程度の重量と脚径が要求されます。
GFXは、小型軽量で画質も良い、なんて素晴らしいシステムなんだ……って気持ちになりますね。
解像感が良い
こちらは400mmのレンズで、6x7ロールフィルムホルダーを装着して撮影した写真です。 6xルーペで覗き込むと、冠雪の表面の凹凸まで見てとることができます。
当日同じ場所で、GFX50R + GF45-100mmの望遠端で撮影した写真はこちら。雪面のテクスチャで比較するに、主観ですが5000万画素機と同程度には解像していそうです。
解像感だけで比較するとそんな印象ですが、ポジフィルムにバックライトを当てて鑑賞する美しさは、高解像度の画像ファイルをディスプレイやプリンタで鑑賞するそれとは別ものでした。
ディスプレイの輝度を限界近くまで上げて、強い光源の入った写真を鑑賞するのが趣味だった自分にとっては、『ポジフィルム、なんて最高なんだ……』って気持ちです。
GFXをつけて遊ぶこともできる
富士フイルム公式でビューカメラアダプターが提供されており、GFXのカメラを4x5に取り付けることができます。
このツイートの写真は、上記アダプターでGFX50Rを装着し、アポジンマー150mm F5.6で撮影しました。 F5.6開放でもちゃんと解像してくれますし、ボケ味も悪くないように思います。
以前のツイートで載せるのを忘れてましたが、2021年リリースのラフロイグ25年と併せて、2020年リリースのラフロイグ25年も入荷しました。
— BAR ハーミット プレスト (@hermit_presto) 2021年12月2日
ハーフショットの飲み比べでお得なセットをご用意しましたので、ぜひお試しください。 pic.twitter.com/2hStgLczzc
あと大判レンズを購入する際に、店頭で試写できるのが便利ですね。一式持ち歩くと、とっても重いんですが。
大判ならではの撮影を楽しめる
まだなかなか作例もないのですが、目下 アオリ撮影 の練習中です。
近景から遠景までのパンフォーカスや、バックアオリによる被写体の形状修正など、使いこなしていきたいものです。
振り返ってみて
GFXに別段の不満があるわけではなく、ただ興味が派生して大判カメラに手を出してしまいました。結果として、満足しています。
やはり大判カメラの解像感 x ポジフィルムの美しさ には、GFXでも得られない魅力があるように思いました。
一方で、画質や携帯性などのシステムの使い勝手を総合すると、GFXというシステムの優秀さをあらためて感じました。これからもGFXをメイン、大判を飛び道具的なシステムとして、愛用していきたいと思っています。
結論。ラージフォーマット()はいいぞ。
翌日の記事は 真緒 さんです。
GFXに換算28mmレンズ欲しくない?自分は欲しかったので買った。
先日、待望の大口径レンズであるGF80mm F1.7が発売され、Fujifilmの中判向けレンズもがますます充実してきました。
Gマウントレンズ ロードマップ | 富士フイルム Xシリーズ & GFXより引用
しかしながら、やっぱりまだまだ手薄だなと思う領域はあります。例えば広角ズームはいまだにありません。また、最大撮影倍率が高めのレンズも少な目です。
換算28mmは、いずこ?
そして個人的に不満を持っているのが、換算28mmをカバーするレンズが少ないこと。自分にとって28mmといえば広角スナップ用途なので、できれば寄りたいものです。
現状、純正レンズだとGF32-64mm F4(換算25-51mm相当)が唯一、換算28mmをカバーしています。カバーしているその他の焦点距離も使いやすいものの、875g(フードなし)と重量級であることに加え、最大撮影倍率が0.12 倍と低めです。また、GFX50Rで使う限りAF速度も遅めです。
その他の純正レンズで近いものでいえば、GF30mm F3.5は510g(フードなし)です。色収差も少なく、逆光にも強い、使い勝手の良いレンズだと思います。ただ個人的に換算24mmはスナップ用途ではやや広角すぎるのと、最大撮影倍率が0.15倍止まりだったため、見送りました。
現状、程よい選択肢が純正から出てくる気配がしばらくなさそうなので、マウントアダプターの力を借りて、他社製中判レンズを使うことにしました。
HD PENTAX-D FA645 35mm F3.5
Pentax 645マウント向けの35mm単焦点レンズの最新である、3世代目のレンズです。デジタル中判で換算28mm、最短撮影距離 30cm、最大撮影倍率 0.25倍でありながら、570gに抑えられています。
HD PENTAX-D FA645 35mmF3.5AL[IF] / 広角レンズ / 645マウントレンズ / レンズ / 製品 | RICOH IMAGING
35mm F3.5の第一世代である A645 35mm F3.5や、第二世代であるFA645 35mm F3.5より10gほど重めのようですが、D-FAはデジタル向けに再設計され、逆光にも強くなっています。
また海外のフォーラムでPentax 645向け35mm F3.5の世代間比較のコメントなどを眺めている限り、逆光耐性だけでなく、像面湾曲やシャープネスなども大きく改善しているようです。そんな中で、たまたま割安なD-FAレンズが見つかったため、今回の機材導入となりました。
試写する限り、解像感は十分な一方で、若干のフレアや、樽型歪曲、そして逆光時に緑色のフリンジ*1がみられました。
個人的には、求めていたスペック、かつ求めていた写りなので大満足です。人工物を撮るときに樽型歪曲がちょっと気になりますが、現像時の補正は難しくありません。自動レンズ補正ができずとも、簡単に手動で補正可能でした。
マウントアダプターについては詳細は後述しますが、レンズとFotodiox マウントアダプターを含めた重量は実測 834 gでした。フード込みで883 g。GF32-64mm F4より若干軽いぐらいですね。(3/26追記: RAYQUALマウントアダプターの場合、もう少し軽くなりレンズ+アダプターで765gです。詳細後述。)
そのほか検討したものたち
CONTAX 645向け Distagon 35mm F3.5
最近人気の高いCONTAX 645向けの最広角レンズです。GFXから使う場合でも、Fringer製マウントアダプターを使えばAFが効く点が魅力です。しかしながらレンズだけで880g(!!)あり、かつ最短撮影距離 50cmと寄れないため、今回求めている対象からは真っ先に外れました。
参考: 価格.com - 京セラ Carl Zeiss Distagon T* 35mm F3.5 スペック・仕様
Mamiya 645向け 35mm F3.5
Mamiya Sekor CのレンズをGFXで利用されている方も多いですよね。オールド大口径レンズであるMamiya Sekor C 80mm F1.9の存在や、こなれた価格の割にしっかり解像するコスパが魅力です。
Mamiyaからも645判で35mm F3.5が出ており、AF対応版のスペックを確認する限り、460gとPentax 645の同スペックレンズより100gほど軽いのが魅力です。最大撮影倍率は0.16倍なので、寄れないというほどではないと思います。最初はこちらを探したのですが、状態にかかわらず35mm F3.5の中古品自体をなかなか見かけませんでした。
参考: 価格.com - マミヤ Mamiya セコール AF 35mm F3.5 D スペック・仕様
35mm判の焦点距離35mmのレンズ(ややこしい)
GFXでケラレなく使える35mm判レンズは多数報告されています。35mm程度の広角レンズであっても、ケラレなく、周辺減光どまりで使えるものも複数あるようです。
GFX 50R with Ultron 35mm F1.7 GFX 50Rで使える広角レンズを探す – metalmickey's camera
GFX 50Rで広角35mmレンズは使えるか!?: metalmickey's blog
GFX用 EFマウントコンバーター | SUWA CHANNEL WEB
GFXのイメージサークル(中判デジタル)に対応するオールドレンズの一覧表を作成しました | オールドレンズの定額制使い放題シェアリングサービスTORUNO(トルノ)
GFXのセンサーでケラレが発生しない35mm用オールドレンズ - 海上撮影家が見た上海2
35mm判の広角~標準レンズをGFXで使う場合、開放付近の周辺減光や周辺部の解像度低下と、どう付き合っていくのかって話になるのだと思います。
周辺減光は、写真中央付近の主題に視線を誘導する効果があるという意味では、むしろプラスに働いたりしますよね。ただ自分のスナップ写真の傾向でいうと、空のグラデーションを主題にしたり、空や電線を四隅に逃がす写真をよく撮ります。そういう写真だと、周辺減光が主題や視線誘導を邪魔するノイズになりそうです。*2
悩ましかったのですが、今回はHD Pentax D-FA645 35mm F3.5のスペックの方が自分に合ってそうだったので、そちらを選びました。機会があれば、35mm判レンズを試してみたいところです。
Fotodiox製 マウントアダプター
なお、Pentax 645 - GFXのマウントアダプターはFotodiox社製のものを購入しました。以前購入した、同社製のSony Aマウント-GFXアダプタの作りが良かったためです。
Fotodiox Pro Lens Adapter with Built-In Aperture Control Dial - Compatible with Pentax 645 (P645) Mount D FA & DA Auto Focus Lenses to Fujifilm G-Mount Digital Camera Bodyfotodioxpro.com
My new lens...
— OE (@oe_pix) 2021年2月9日
Sony Aマウントの135mm F2.8 STFと、FotodioxのSN(a)-GFXマウントアダプターを入手しました。
44x33mmのイメージサークルを十分カバーしており、周辺減光も感じられません。
また試し始めたところですが、換算107mm付近の使いやすい画角で、T4.5のSTFボケで遊べるのは楽しいですね pic.twitter.com/iblgQxHrAy
今回のアダプターも電子接点はなく、全てのレンズをMFで利用する必要があります。そして絞りリング付きなので、絞りリングがない一部のD-FAレンズにも使うことができます。また、アルカスイス互換ダブテールの三脚座がついているので、三脚に固定する際に便利です。*3
しかしながら、今回のアダプターはレンズ側に僅かな「遊び」がありました。アダプターにレンズをつけても固定しきれず、少しだけカタカタと回ります。この「遊び」はSony Aマウント-GFXアダプタには見られなかったものです。
またこのマウントアダプターを装着すると、レンズ本体の絞りリングは利用できません。レンズ側の絞りリングをF32にした上で、アダプター本体の絞りリングで調整する必要が発生します。数字表記の無いアダプター絞りリングで調整するのは、若干の面倒くささを伴います。1目盛り分がおよそ1段に相当するようで、素早い調整には慣れが必要そうです。
(3/26追記) RAYQUAL マウントアダプター
Fotodioxの前述のマウントアダプターは以下の理由で、ファインダーを覗いたまま絞りを調整しにくい難点がありました。
- マウントアダプターの絞りリングがクリック感がない
- 元々絞りリングの回転角が小さいため、クリック感がないと調整しづらい
そこで、高精度で名高い宮本製作所のRAYQUALのP645-GFXマウントアダプターを、公式サイトより購入しました。
届いてみると、Fotodioxアダプターと比較して まったくガタつきが無く、しかも69gも軽く192gしかありませんでした。レンズ+RAYQUALアダプターの重量は765g、フードを入れると814gです。当然、絞りリングも問題なくスムーズに動作します。
まだ持ち出してはいませんが、現時点での触り心地でいえば個人的にはRAYQUALのアダプターの方を圧倒的にお勧めします。
総括
HD PENTAX-D FA645 35mm F3.5は、少なくとも5000万画素機では十分に解像します。*4手持ちGFレンズと混ぜて使っても違和感を感じません。
強い光を構図に取り込むと、光源付近に多少フレアや、緑色のフリンジ、若干のコントラスト低下*5が見られます。主観ですが、どれも気になるほどのものではなく、むしろ強い光を構図に取り込んだときに演出として使えるような、上品なものだと感じています。
若干の樽型歪曲が見られますが、個人的にはスナップ用途であれば撮って出し許容範囲だと感じます。人工物を撮るときは、Lightroomなどの手動レンズ補正機能で簡単に補正可能です。
よく映り、かつ寄れるスナップレンズは使っていて大変楽しいですね。良いレンズだと思いました。あとRAYQUALはいいぞ。*6
GFX50Rの手振れ対策としてのアレコレ: GF45-100mm F4、そして一脚
昨年お迎えしたGFX50R。
ようやく、手振れ補正ナシの5000万画素機を手持ちで撮る感覚が、わかってきた気がします。
スナップ用のGF50mm F3.5なら、下限SSはだいたい1/100。
撮るときは、できるだけファインダーを覗いて、脇を締め、呼吸も止めて数枚のシャッターを切る。
そんな一連の操作が、ようやく染み着いてきました。
ただ、開放F値3.5のレンズでSS 1/100を確保するのは、なかなか難しいことも多いです。
まずセンサーの大きさゆえに、F3.5といえども割とボケてしまいます。風景やスナップなどで被写界深度が欲しいときは、最低あと1段、できれば2、3段は絞りたいところです。
すると、少し薄暗いだけでたやすく標準ISO感度の上限である12800まで上がってしまいます。
高感度耐性が悪くないデジタル中判機とは言え、ISO感度が上がるとノイズが気になりますし、解像感や階調の滑らかさは犠牲になることもあります。
そしてFuji機で特にISO感度を抑えたい理由として、ダイナミックレンジ拡張機能があります。
ハイライトを白飛びさせないように抑えながら、暗部を持ち上げた上でJPEG出力してくれる機能です。よくあるHDR機能とは違い、かなり自然仕上がるため、明暗差の大きい場面では頻繁に利用しています。 *1
これもFujiのJPEG撮って出しのクオリティを支える主要機能の一つではありますが、DR400%の設定だとだいたいISO 3200までしか使えません。暗部を自動で持ち上げているせいでしょうか。ISO 6400以上でDR400%にすると、ノイズが顕著に出てしまいます。
至極当然の話ですが、被写界深度を稼ぎたい場面や、ISO感度を上げたくない場面、またその掛け合わせの場面では、人間の慣れだけで対処するのは無理があります。
高額光学式手振れ補正
というわけで、GFXの標準ズームレンズで唯一、光学式手振れ補正(OIS)を搭載している「GF45-100mmF4 R LM OIS WR」を導入しました。
後述の通り、1月27日のFujiの新製品発表会を前に散財してしまうなんて……という内なる声と葛藤しつつも、以前レンタルして使ったときの経験から:
- ズームレンズにも関わらず、解像力が十分に感じた。同様にレンタルしたGF32-64mm F4よりも解像力含め、写りが好みだった。
- グリップ付きGFX50Rなら、違和感なく持てる重量(1010g)・バランスだった。
- 物撮りの際にピント面近傍のボケが若干騒がしくなるものの、自分のGFX50Rの主戦場である風景・スナップ用途ではさほど気にならなかった。
- 単体で見ると広角端側の焦点距離に物足りなさはあるが、GF23mm F4との併用を考えると、むしろ望遠端が長めでバランスいい。
- 近々どんな新製品が出たとしても、2020年に発売したての高性能標準ズームはそうそう陳腐化しないと思われる。
などの理由により、GFX用ズームレンズの大本命はこれだ!!と思っていたところに、中古の出物と遭遇してしまいました。
これは仕方ない。まったくもって仕方ないですね。
このGF45-100mm F4ですが、公式には「CIPAガイドライン準拠で5.0段の手ブレ補正性能を達成」と謳っています。
実写ではどの程度シャッター速度を落とせるのか、気になるところです。そこで、取り急ぎ簡単に実験したところ:
- OIS入・広角端45mm(35mm判換算で36mm)なら、SS 1/8。
- OIS入・望遠端100mm(35mm判換算で79mm)なら、SS 1/15。
自分の場合はこのぐらいSSを落としても、ちゃんと構えれば、だいたいブレずに撮れています。
「OIS切」時だと、45mmでも100mmでもだいたい1/125ならブレないし、頻度に差はあれど1/60だとしばしば微ブレしていました。
以上をふまえると、実写でも広角端なら3~4段程度、望遠端なら2~3段程度の恩恵はありそうです。*2
お試し一脚
一方でOIS無しの手持ちレンズ、例えばGF23mm F4で被写界深度を稼ぎたい場合も多々あります。
またGF45-100mm F4のOISは前述の通り強力ですが、薄暗い場面でなおかつ被写界深度を稼ぎたいとなると、OISだけで対処するのは難しいです。
かといって、スナップ撮影のために三脚を持ち歩くのはなかなか厳しいですし、ミニ三脚は置ける場所に制約があったり、耐荷重量の面でも不安があります。
ということで、試しに一脚を導入してみました。
今回導入したSIRUI P-326はカーボン製の6段の一脚です。軽さと縮長、最大まで伸ばした際の安定感などのバランスが、Gitzoを含めた他のメーカーの一脚よりも良く、かつリーズナブルだったのが素晴らしいです。
雲台は一脚用の安価・軽量で評判が悪くなかったものをお試しで調達し、余ってた手持ちのクランプと組み合わせました。
この組み合わせで試用してみた感じ、だいたい2~2.5段分ぐらいシャッタースピードを落とすことはできていそうです。悪くありませんね。もう少し使い込んでみようと思います。
更なる高み?へ
来る1月27日 日本時間22時より、FujifilmのX Summit GLOBAL 2021なるイベントが予告されています。
1月27日(水)22時~ YouTubeチャンネルにて
— FUJIFILMXseriesJapan (@FujifilmJP_X) 2021年1月20日
X Summit GLOBAL 2021 ライブ配信!https://t.co/6vngz0YGlW#FUJIFILM #Xシリーズ #gfx #xsummit pic.twitter.com/JESEL0vtoJ
そこでは新型GFXや、GFレンズの発表が噂されていますので、注目ですね。
*1:この機能はGFXだけでなく、APS-CのFuji機にも搭載されていますが、興味深いことにGFXの方が仕上がりが自然のようです。
「同じデータ値、同じダイナミックレンジの設計をしているのに、ダイナミックレンジのコントロールを変更した際に、XシリーズとGFXシリーズで何故写真としての印象がわずかに変わってしまうのか? については分かっていません。」以下の記事より抜粋。
富士フイルムのフィルムシミュレーションはどのようにつくられているのか(後編) - デジカメ Watch
*2:なおOIS ON/OFFで被写体を変えながら数回ずつ撮影し、結果をカメラ本体のLCDで最大まで拡大して見比べる、程度の計測です。
*3:この雲台の耐荷重量は公称2.5kgですが、GFX50R + L字ブラケット + GF45-100mm F4の合計2kg弱の機材を載せると、固定しきれずに微妙にズレてしまいます。
カラーマネジメントモニタ『EIZO CS2740-BK』導入!
どうも、こんにちは。OEです。
年末の最後に、IYHしてしまいました。EIZOのカラーマネジメントモニタ『CS2740-BK』です。
カラーマネジメントモニタとは?
カラーマネジメントモニタとは、汎用モニタより色を正確に表現できるスペック(色域、色深度、Delta E)を備えていて、かつハードウェアキャリブレーションによって正しい色表示に再調整できるモニタのことです
今回はデスクの大きさと手持ち機材から、27インチ、4k解像度、かつハードウェアキャリブレーションに対応したモデルに絞って探しました。カラーマネジメントディスプレイとして注目したスペックは以下の通りです。
スペック/製品名 | ||||
色域 | AdobeRGB 99.9%*1 |
AdobeRGB 99% Rec.709 100% DCI-P3 93% |
AdobeRGB 99.9%*2 DCI-P3 98% |
AdobeRGB 99% Rec.709 100% DCI-P3 95.1% |
色深度 | 10 bit (16bit LUT) | 10 bit | 10 bit | 10 bit (14bit LUT)*3 |
輝度 cd/m^2 | 350 | 350 | 250 | 350 |
Delta E | 3未満 | 2以下 | 2未満 | 2未満 |
コントラスト比 | 1000:1 | 1000:1 | 1300:1 | 1000:1 |
価格 | 18万程度 | 13万程度 | 17~27万程度*4 | 10万程度 |
こうやってみると、スペックシート上は割と近いです。その他の違いとしてはEIZOとDellはドット欠けでも交換してくれる、EIZOだけフードが別売り、Dell UP2720Qは測色計を内蔵しており、製品単体でもハードウェアキャリブレーションできる、などがあります。
BenQとViewSonicのコスパが際立ちますが、一方でレビュー等を見ると輝度ムラに対する指摘を見かけます。どの機種も輝度ムラを抑えている(ユニフォーミティ云々)ことをうたっていますが、メーカーごとの品質差はありそうです。また自分が見つけたレビュー記事の範囲で、公称値と実測値のズレについて脚注を入れました。
今回初めてのカラーマネジメントモニタ購入なので、自分が外れ個体を引いたときに対応できる自信がないこと、年内に欲しかったこと、そしてEIZOモニタをこれまで2台使ってきてスペックシートにあらわれないEIZOの品質に信頼を寄せていることが決め手で、今回もEIZOのCS2740を選びました。クーポンによる割引が効いているタイミングで、納期遅めでもよいならDell UP2720Qも良さそうですね*5。
その他スペックの注意点については、studio9さんのブログ記事が詳しかったです。こちらもどうぞ。
カラーマネジメントモニタのセットアップ
設置して、まずはハードウェアキャリブレーションをやってみました。
冒頭の写真です。EIZO純正のEX4*6を利用して、だいたい5分ぐらいで終わりました。
使用200時間ごとのキャリブレーションをメーカーが推奨していますが、これぐらいの手間なら定期的にやってもいいかなぁ、って思ってます。
そして次はNVIDIA Studio Driverによる、グラボから出力される色深度の調整です。
CS2740は色深度は10bitぶんの表示に対応していますので、グラフィックボードから出力される色深度も10bitに引き上げました。kobefinder.com
自分のメインPCはGeForce RTX2060 with Max-Q Designを搭載していましたので、NVIDIA Studio Driver同梱のGeForce Experienceアプリケーション内の、NVIDIAコントロールパネルの画面から、以下の通り設定できました。
で、使い心地どうよ?
届いたばかりでまだ全然使い込めてないんですが、すぐに気づいた違いが2点ありました。
ひとつは、写真の階調の良し悪しがハッキリ分かるようになりました。
これまでの非カラーマネジメントモニタだと、以下の二つはまあ見分けられるかな?という程度。
グラデーション > 層状になっている(境界線が視認できる)
今回のCS2740を使うと、以下のように区別ができるようになりました。*7
グラデーションが極めてなだらか
>> グラデーションだが濃淡にムラがある
>>> 層状になっている(境界線が視認できる)
もう一つは、色のニュアンスがより、見分けつくようになりました。
ここには少しマゼンタが乗ってるなとか、シアンに寄ってるな、みたいなことが判別しやすくなります。自分の理想とする色にも近づけやすくなるかなぁと思いました。
あとは手持ちディスプレイに比して、輝度と解像度が上がったことにも有難みを感じています。明るいところがしっかり明るく見える、解像してるところがカリカリに見える、というのは撮影時の印象がよみがえって楽しいですね。
購入後に「輝度も重要だったなぁ」って思いました。
まとめ: カラーマネジメントモニタはええぞ
「改善するには まず測定せよ」は普遍の原則でありますが、満足できる写真を撮れるようになるには、まずは見えるようにするところからなのかなぁ、 なんてことを思いました。
*1:EIZOの公称値は99%ですが、実測値は99.9%のようです。
*2:Dellの公称値は100%ですが、実測値は99.9%のようです。
*3:ViewSonicメーカーサイトの表記がなく、公式?レビューを参照
*4:利用クーポンによる
*5:というか元々EIZO一択かなぁと思ってたんですが、この記事書くために調べてたらDellいいやん?ってなりました
*6:ColorNavigator 7の「測定器」欄表記はSpyderX / EX4となっているため、SpyderXのOEMとみて間違いなさそうです。
*7:
画像で伝えられたらいいんですが、撮影機器と表示機器の色表現で変わっちゃうので難しいんですよね……
GFX50Rをお迎えして2か月の日々。と、mng...
今年の10月にGFX50Rをお迎えしてから、2か月。
ようやく、少しずつGFXのことが分かってきました。
今日は楽しくも気難しい、新たな相棒との日々をとりとめもなく紹介します。
撮って出し最強機としてのGFX
GFXをお迎えした、最大の理由がこれ。
ファインダーを覗いて、シャッターを切る瞬間の高揚感を重視していたら、ここに行きつきました。
RAW現像だって、撮影の高揚感が続いているうちにやりたい。その点でも、ボディ内RAW現像が優秀なFujifilm機は良い働きをしてくれてます。
ちゃんと去年のうちにZeiss ZX1が発売していれば、そっちを買った可能性もあるのですが…… いやその話はやめよう。
全て撮って出しです。ダイナミックレンジだけではない、階調のなだらかさと質感が素晴らしいなと思います。
使って分かる、フィルムシミュレーション
去年X100Fを買ったときに一番驚いたのが、フィルムシミュレーション。
これまで使ってきた他社カメラにも、言葉にすると同じように聞こえる、カラープロファイルのような機能はありました。
が、使ってみると、Fujiのフィルムシミュレーションは全然違う。力の入り方もクオリティも、明らかに違う。Fuji未体験の人は、ぜひともレンタルなりで使ってみてほしい。
そもそもFujifilmの場合、標準にあたるものが「PROVIAという名前のフィルムシミュレーション」だし、標準のはずのPROVIAで撮ってる人も(Twitterで観測する限り)あまり多くない。
今年のGFX50Rのファームアップデートで、「写ルンです調」のクラシックネガまで使えるようになりました。以下はクラシックネガと、Pro.Ng.Stdで撮った写真です。
これらに加えて、風景写真でASTIAをよく使います。
個人的にPROVIAは、標準にしては写りがやや濃すぎるかな?と思い、あまり使っていませんでした。
そんな中、先日のdc.watchにフィルムシミュレーションの開発者インタビューが公開されました。
どうやらカラー、コントラスト等を少し落としたカスタム設定のPROVIAを使ってる人も多いようです。自分も今はカスタム設定Proviaを試用中ですが、良い感じの感触を得ています。
細かなテクスチャの見え方が、なんか違う?
理由はよくわかっていませんが、ツタや遠景の枝葉の見え方が、なんか違うんですよね。被写体の細かさが心地よい、というか。
画素数で言えば5000万画素でしかないので、手持ちのα7R3の4000万画素と大差なく、どちらも色収差がほとんどでないレンズを使っているはずなのですが…
一つ言えるのは、僕はGFXの見え方が好きだし、テクスチャの細かな被写体を選ぶことが増えました。
手振れのしやすさは、たまにキズ
GFX50Rには、手振れ補正が搭載されていません。
良い構図で撮れた!と思っても、後で見返してみると手振れてることがあります。
今のところ、SS上げにくい夜スナップは鬼門ですね……。
おまけのmy new gear...
GF23mm F4を、今週お迎えしました。
フルサイズ換算18mmの超広角レンズでありながら、(厳密にはちょっと違うけど)フルサイズ23mm相当の*1歪みの少なさが新鮮です。使い込んでいきたい。
結論: GFXはいいぞ
アドベントカレンダー
このブログは、しむ さんの【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020 の12日目でした。
11日目は、toshiboo さんによる 2020年 散財したモノ金額ランキング でした。
13日目は、クロギタロウ(書漂家) さんによる これが僕の1年だと胸を張ろう。 です。
*1:ICELANDIC INCLUSION – THE FUJINON GF 23MM F/4 REVIEWが元ネタだったんですが、いわゆる広角歪みであるボリューム歪像は画角依存で実焦点距離には依存しないので、歪みの少なさの理由説明として不正確でした。先の記事のコメント欄の議論によれば「実焦点距離23mmレンズは、18mmレンズより歪みを小さく作りやすい」という話は出ているものの、その影響の大きさは不明です。
バーに照明を持ち込んで撮ってみた
いつも商品写真を撮ってるHERMIT PRESTOさんに、新商品が入荷したので撮ってきました。
今回は、「カルヴァドス モラン レゼルヴ アンセストラル / Calvados Morin Réserve Ancestrale」です。
いかにも長熟って感じで、美味しいカルヴァドスです。そしてそれ以上の特徴として、見ての通りボトルに大量の貴腐カビが付着しています。
これが曲者で、一年前にバー営業中に同じものを撮ったとき:
- テクスチャが細かいので、ピントがあってないと目立つ
- カビが空調の風にあたって揺れる
- 店内暗くて絞れない、シャッタースピードを稼げない
- 営業中のため、空調も切りづらい
- 酔っぱらってたので、色温度をミスった←自業自得
という条件で、納得がいかない写真になってました。今回は、開店直前に照明を持ち込んでのリベンジです。
照明の構成
- メインライト(サイド光): Godox AD200 + Godox H200R
- フロントライト: Godox V1-S
- バックライト: PIXEL RGBビデオライト撮影ライト
ワイアレスコマンダはGodox X2T-Sを初投入してみました。コンパクトで、Group設定のボタンがあって、かつLCDがカメラと同じ方向だったりと、地味に使い勝手良いですね。今までXPro-Sを使ってましたが、これからはX2T-Sをメインに使っていこうと思います。
なお開店直前なので、すぐに準備・撤収できるようライトスタンドは使ってません。手でメインライトを横斜め上から当てつつ、リモコンでシャッターを切る運用です。
LEDビデオライトは使い道を特に決めてませんでしたが、念のための補助として持参しました。当日、ちょうどいい場所を発見できたのでバックライトとして使うことにしました。
小型のLED照明なので、うまい具合にボトルの真裏に隠れてくれました。予備として持ち歩きやすいサイズかつ、補助光として使いやすい明るさ・色温度調整機能があり、予想以上の活躍でした。
若干のトラブル
本当はAK-R1も持ち込みたかったんですが、まさかのカバンに入れ忘れる事案が発生…。
ディフーザーがなくても、それなりに光が回ってくれるH200Rに助けられました。
カラーフィルタが無い問題については、店内光を少し落としてSS稼いで店内光の影響を小さくして、ポストプロセシングで調整しました。
出来上がった写真
冒頭の箱付き写真、およびこちらです。
きっちり絞ってSSも稼げたので、ピシッと決まってくれました。
またバックライトの設置場所を当日に見つけられたおかげで、背景が賑やかでも、貴腐カビのシルエットが自然と目立っています。
準備・撤収まで含めて、合計所要時間はおよそ30分でした。
細かい反省はあれど、リベンジはそれなりに出来たかな?と思い満足です。HERMIT PRESTO店長の池田さん、ご協力ありがとうございました。
入荷です!
— BAR ハーミット プレスト (@hermit_presto) 2020年11月12日
『モラン アンセストラル』
去年大人気だったので再び仕入れました。
ウイスキーがお好きな方にも
是非試していただきたいカルヴァドスです! pic.twitter.com/PByQPYjYuO